インプラント
Implant
インプラントとは

失った歯を取り戻すための治療
虫歯や歯周病、事故などで歯を失ったものの、その他の歯は元気である場合は、インプラントでの治療をおすすめします。インプラントは見た目が自然で、他の歯に負担をかけることなく治療をすることができるためです。噛み心地も天然歯に近いものが得られるのが特徴です。
インプラント治療の流れとしては、カウンセリングの後、検査と診断を行います。診断時に治療計画をご説明しますので、そちらに同意をいただければ、次はインプラント手術です。その後、数か月待ちインプラントが固定されたことが確認できたら、人工歯冠をかぶせて完成です。治療後はメンテナンスに移ります。
インプラント治療後は天然歯のように、毎日ケアを行う必要があります。人工物なので虫歯にはなりませんが、インプラントを入れている歯茎には炎症が起きることがあるためです。メンテナンスの方法についても治療時のご説明をしますので、治療後はその方法を実行し、他の歯と同様にインプラントも長持ちさせましょう。
インプラント・入れ歯・
ブリッジの違い
| 治療法 | インプラント | ⼊れ⻭ | ブリッジ |
|---|---|---|---|
| 審美性 | ◎ | ▲ | 〇 |
| 噛む⼒ | ◎ | ▲ | 〇 |
| ⼝内衛⽣ | 優れる(⼿⼊れ要) | 不衛⽣になりやすい | 不衛⽣になりやすい |
| 耐久性 | 優れる(⼿⼊れ要) | 合わなくなる事が多い | 両隣の⻭に負担 |
| 健康な⻭を削る | なし | なし | 両隣の⻭に負担 |
| 違和感 | なし | 有り | 少ない |
| 顎⾻がやせる | なし | やせる | やせる事がある |
| ⼿術 | 有り(抜⻭程度) | なし | なし |
| 診療形態 | ⾃由診療 | 保険診療 | 保険診療 |
| ⾒映えの良いものは、 ⾃由診療となります |
⾒映えの良いものは、 ⾃由診療となります |
||
| 治療期間 | 通常6-24週間程度 | 2週間-2ヵ月 | 2-3週間 |
インプラント治療の
メリットとデメリット
メリット
-
健康な歯を削らずに済むため、残っている歯を大切に保てます。
インプラントは(オールオン4を除き)1本ずつ独立して埋め込むため、ブリッジのように隣の健康な歯を削ったり、負担をかけたりする必要がありません。他の歯に影響を与えることなく治療が行えるのが大きな特長です。
-
噛む力に優れている
総入れ歯では、自分の歯と比べて噛む力が大きく低下するため、食べにくさを感じたり、食事が楽しめなくなる方も少なくありません。
さらに、熱いものを感じにくくなることもあります。一方、インプラントは自分の歯に近い噛む力を取り戻すことができ、自然な感覚で食事を楽しむことが可能です。
-
骨が痩せるのを防ぐ
咀嚼には多くの健康効果があり、その一つに顎の骨の吸収(痩せ)を防ぐ働きがあります。ところが、歯を失うと咀嚼による刺激が骨に伝わらず、徐々に骨が痩せていく原因になります。
インプラントは歯の見える部分だけでなく、歯根の役割も果たすため、咀嚼時の刺激をしっかり骨に伝え、骨の吸収を抑える効果が期待できます。 -
自然な見た目の人工歯を装着できる
ブリッジ治療は保険適用となるものの、治療箇所によっては金属製の素材しか選べない場合があります。部分入れ歯では金属のバネが見た目に目立つことも少なくありません。
一方、インプラントでは審美性に優れた素材が使用できるため、天然の歯に近い自然な見た目を再現することが可能です。
デメリット
-
保険がきかない
インプラント治療は保険適用外のため、費用がブリッジや入れ歯などの保険治療と比べて高額になる傾向があります。ただし、支払方法を工夫することで、一度のご負担を抑えることも可能です。
当院では、治療前のカウンセリング時に費用やお支払い方法についてもしっかりとご説明いたします。
患者様ご自身のケースに合わせた費用を把握いただいたうえで、最適な治療方法をじっくりご検討いただけます。 -
手術が必要
インプラント治療では、顎の骨に人工歯根(インプラント)を埋め込む外科的処置が必要です。
治療中は麻酔を使用するため痛みはほとんど感じませんが、ブリッジや入れ歯と比べると身体への負担は大きくなります。そのため、重度の全身疾患をお持ちの方など、健康状態によっては治療を控えていただく場合があります。
安全を最優先に、事前の診査・相談を丁寧に行っています。
-
治療期間はブリッジなどと比べて長い
インプラント治療にかかる期間は、お口の状態や治療箇所によって異なりますが、一般的には4~6ヶ月ほどかかります。これは、埋め込んだインプラントが骨としっかり結合するまで時間が必要なためであり、ブリッジや入れ歯と比べて治療期間が長くなる傾向があります。
-
術後はメンテナンスが必要
インプラント自体は虫歯にはなりませんが、歯茎の健康が常に保たれるわけではありません。歯周病に似た「インプラント周囲炎」というトラブルが起こることがあります。
インプラントを長く安定して使い続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。専門的なケアや検診を定期的に受けることが重要です。
予防の観点から見る
インプラント
インプラントは「予防」に
つながる治療法です。

インプラント治療が「予防的歯科治療」として非常に有効なのは、健康な歯を削ることなく、残っている歯を保護し、これ以上歯を失うリスクを抑えられる点にあります。やみくもに歯を削る必要がないため、他の歯への負担も最小限に抑えられます。インプラント治療自体が最終目的ではありませんが、大切な歯を長く保つための有力な選択肢の一つです。
「歯を削る治療」には、歯を長く守るための限界があります。

両隣の歯を削って行うブリッジがあまりおすすめできない理由は、歯を削ることでむし歯のリスクが高まるからです。
マイクロスコープなどを使い非常に丁寧な治療をしても、削った歯は元の健康な歯には及びません。また、ブリッジは本来3本で支える咬合力を2本の歯で負担するため、負担が集中し健康な歯を失うリスクが増します。特に神経を抜いた歯は根が折れやすくなることもあります。
ブリッジを選ぶ際は、両隣の歯を無理に固定せず、最近では見た目も自然で扱いやすい入れ歯を利用し、将来的なインプラント治療に備える方法もあります。
インプラント治療の流れ
-
01
カウンセリング
(インプラント相談)インプラントは手術を伴う治療のため、「どの歯科医院で受けるか」が非常に重要です。歯科医院ごとに治療方針や設備、対応のスタンスが異なるため、納得いくまで話を聞き、自分に合った医院を選ぶことをおすすめします。
カウンセリングでは、お口の悩みはもちろん、治療方針やメリット・デメリット、費用についても遠慮なくご質問ください。
当院では、初診相談とLINE相談を無料で承っております。 -
02
検査・治療計画作成⇒ご契約
カウンセリングで治療を希望する医院が決まったら、まずは検査を行い診査・診断を受けます。主な検査内容は、歯周病のチェック、噛み合わせの確認、CT検査による骨密度や骨量の測定などです。
検査結果をもとに、患者様一人ひとりに合わせた治療計画を作成し、今後のスケジュールや費用の見積もりをご提示します。
内容と費用にご納得いただければ契約を結び、治療を開始します。条件はありますが、治療期間を短縮する方法もありますので、早期に治療を希望される方は事前にご相談ください。 -
03
一時手術
インプラント埋入手術インプラント埋入手術では、術後の感染予防が重要です。手術部位を清潔に保ち、指や舌で触らないように注意しましょう。
また、激しい運動や飲酒、喫煙は治癒を遅らせるため控えてください。
痛みや腫れが続く場合は早めに医師に相談し、指示された薬は必ず服用することが大切です。
適切なケアでインプラントの定着を促進しましょう。 -
04
抜糸・仮歯調整
(処置後2週間)インプラント埋入手術後、約2週間で傷口を閉じていた糸を抜糸します。抜糸後は、必要に応じて仮歯の調整を行い、インプラント体が骨としっかり結合するまでの待機期間中も日常生活に支障が出ないようサポートします。
仮歯が入る場合もありますが、強く噛みすぎるとインプラントの定着に悪影響を及ぼす可能性があるため、柔らかい食べ物から摂るなど注意が必要です。 -
05
待機期間
先ほどもお伝えした通り、チタン製のインプラント体が顎の骨としっかり結合して一体化するまでには、一定の時間が必要です。
個人差はありますが、一般的には約2〜3ヶ月ほどかかることが多いです。
この待機期間中は通常通院の必要はありませんが、もし埋入部に痛みや違和感を感じた場合は、速やかに当院までご連絡ください。 -
06
二次手術
アバットメント取付インプラント体と顎の骨が十分に結合したタイミングで、再度歯茎を切開し、一体化の状態を確認します。
問題がなければ、インプラント体の先端にアバットメントという部品を取り付けます。
アバットメントは長さや角度がさまざまで、患者様に最適なものを選択します。
処置後は、切開した歯茎の回復を1〜2週間ほど観察します。二次手術は入院不要で、当日中にご帰宅いただけます。 -
07
型取り
患者様のお口の状態や噛み合わせに合わせて、人工歯(上部構造=かぶせ物)を作るために型取りを行います。周囲の歯となじむよう、形状や色合いを細かく調整して人工歯を製作します。
-
08
完成
型取りで作成した人工歯を土台に取り付けて、治療は完了となります。
噛み合わせや色合いなど気になる点があれば、遠慮なく担当医にご相談ください。
治療後は担当医の指示に従い、定期検診を受けるとともに適切なセルフケアを行い、インプラントを長く健康に保ちましょう。
インプラントのケア
インプラント治療は装着して終わりではなく、その後のケアでいつまで使い続けられるかが変わってきますので、定期的に検診やメンテナンスを受けることが大切です。日常の歯磨きでは取り除けない汚れがインプラントの周りに蓄積することがあり、インプラント周囲炎などの感染症を防ぐには専門的なケアが必要です。
インプラントケアの
注意点
-
- 歯ブラシは柔らかいものを使用し、歯と歯茎を傷つけないようにする
- インプラントの上部だけでなく、歯肉ライン周辺や接合部分も丁寧に磨く
- 人工歯が連結した部分にはスーパーフロスを使用する
- インプラントの方の歯磨剤はフッ素無配合がおすすめ
-
- 歯肉ラインに45度の角度で当て、小刻みに振動させて歯垢を落とす
- ブラッシングで汚れが落としにくい歯と歯の間にはフロスを使用する
- 歯磨きの仕上げに殺菌力の高いマウスウォッシュを使用する
インプラントの料金目安と
治療期間など
(治療内容により金額は変動する事があります。)
| 標準料金 | 440,000円 |
|---|---|
| 治療期間目安 | 3ヶ月〜6ヶ月 |
| 治療回数目安 | 5回〜10回 |
定期的な
メンテナンスと検診

インプラントを長持ち
させるために
インプラントは入れたら終わりではなく、その後も担当医と連携して継続的なメンテナンスを行うことが重要です。
定期検診を受けてクリーニングを実施し、ブラッシングの指導もぜひ受けてください。これにより、虫歯の予防はもちろん、インプラントをより長く健康に保つことが可能になります。
