むし歯治療
Tooth decay treatment
むし歯とは
酸によって歯が溶けた状態
むし歯とは、口の中でつくられた酸によって歯が溶けてしまう病気です。
特に、チョコレートやキャラメル、アメなど砂糖を多く含むお菓子は、むし歯と深い関わりがあります。
むし歯の原因となるのは「ミュータンス菌」と呼ばれる細菌です。この菌は、砂糖が口の中に入ると活発に活動し、歯垢（プラーク）を作り出します。そしてその歯垢の中で酸がつくられ、歯を溶かしてしまうのです。
酸がつくられるまでには少し時間がかかるため、食後すぐにうがいや歯みがきをすることで、むし歯のリスクを大きく減らすことができます。
むし歯は、できてから治療するよりも、できる前に予防することが何よりも大切です。日ごろからのケアを心がけましょう。
むし歯進行の流れ
むし歯は、放っておくとどんどん進行してしまい、重症化すると歯を大きく削ったり、場合によっては抜歯が必要になることもあります。
そのため、できるだけ早い段階で治療を受けることが重要です。
早期に対応することで、歯への負担を最小限に抑え、健康な口腔環境を保つことができます。
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C0
要観察歯
初期のむし歯は、歯の表面が白く濁って見えることがあります。
定期健診
この段階では、むし歯菌の影響がまだ小さいため、歯を削らずに、クリーニングやフッ素塗布などの処置で経過を観察することが可能です。
定期的に歯科検診を受けていれば、このような初期のむし歯を早期に発見でき、簡単なケアで健康な状態へと戻すことができます。結果として、治療期間も短く済み、歯への負担も最小限に抑えられます。 -
C1
エナメル質のむし歯
この段階では、歯の表面を覆っているエナメル質が酸によって溶かされ、むし歯が徐々に進行している状態です。
通常は、むし歯になっている部分を適切に削り取り、その後に詰め物をして補います。ただし、むし歯の進行がごく初期であれば、削らずに経過を観察しながら、定期的なチェックで様子を見ることもあります。 -
C2
象牙質のむし歯
むし歯がエナメル質を越えて、その内側にある象牙質にまで達している状態です。
象牙質は歯の神経に近いため、この段階になると、冷たいものや熱いものを口にしたときに「しみる」と感じることが多くなります（知覚過敏）。
治療としては、進行したむし歯を削り取り、詰め物をして補うのが一般的です。
ただし、むし歯の範囲が広い場合には、歯を大きく削って被せ物（クラウン）を装着する必要があるケースもあります。 -
C3
神経まで及んだむし歯
むし歯が進行して歯の神経まで感染すると、激しい痛みを引き起こすことがあります。
さらに、歯の根や根の先端に膿が溜まることもあり、これが口臭の原因になることもあります。
この段階の治療では、根管治療（こんかんちりょう）が基本となります。感染した神経や組織を丁寧に取り除き、内部を清掃・殺菌したうえで、最終的に被せ物を装着して歯の機能を回復させます。 - C4
こんな症状は
ありませんか？
- 歯に穴が空いた
- 歯に黒いところがある
- 詰め物・かぶせ物の脇から
むし歯ができた - 初期むし歯がある
- 痛みなくむし歯治療をしたい
むし歯を
放置していると・・・
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痛みが出る
むし歯は初期の段階ではほとんど痛みを感じることはありません。
しかし、むし歯が徐々に歯の内部へと進行し、神経に近づくにつれて痛みを感じるようになります。
進行が進むと、ズキズキとした強い痛みが現れ、痛み止めが効きにくくなったり、治療時の麻酔が効きにくくなることもあります。 -
歯がどんどんなくなる
むし歯を放置すると、痛みが治まっても進行は止まりません。やがて歯の神経が死に、歯が崩れて最終的には抜歯が必要になることもあります。
大切な歯を失わないためにも、早めの治療が何より大切です。
治療が大がかりになる
小さなむし歯であれば、簡単な治療で短時間に終わらせることができます。
しかし、むし歯が進行して大きくなると、神経の治療が必要になったり、麻酔を伴う処置が必要になったりすることがあります。その分、通院回数も増え、治療費もかさむなど、治療は次第に大がかりになっていきます。
さらに症状が深刻な場合には、抜歯を検討しなければならないこともあります。一度抜いてしまった歯は、自然に再生することはありません。
いつまでも自分の歯でしっかりと食事を楽しむためには、毎日の丁寧なセルフケアと、定期的な歯科検診がとても大切です。万が一治療が必要になった場合も、歯科医師と相談しながら治療計画に沿ってしっかり通院することが、健康な口腔環境を保つ鍵となります。
代表的なむし歯の治療方法
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経過観察（フッ素塗布）
むし歯がごく初期で、まだ穴があいていない段階では、再石灰化を促してむし歯の進行を防ぐ治療を行います。
この再石灰化を助けるために、フッ素塗布が効果的です。 -
レジン充填
小さなむし歯の場合は、むし歯部分を削り、歯科用の樹脂（レジン）を詰める治療を行います。
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銀歯を使った治療
むし歯の範囲がある程度広い場合、保険治療では銀歯を詰めるか、被せ物を装着する治療が一般的です。
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セラミック治療
保険適用外の治療を選ぶ場合、主に審美性に優れたセラミック治療が行われます。セラミックは天然の歯の色合いを自然に再現できるため、治療したことがほとんど分からないほど美しく仕上がります。
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神経の治療
むし歯が神経まで進行している場合は、まず神経を取り除く治療を行い、その後に詰め物や被せ物で歯を補います。
むし歯で自分の歯を
失わないために
一度失った永久歯は、
二度と自然に再生しません。
歯は体のほかの組織とは異なり、基本的に再生する能力がありません。（初期のむし歯は再石灰化で改善することもありますが）
そのため、一度悪くなった部分は取り除き、人工の素材で補うしかないのです。
もし体の他の部分に傷ができたときに、その部分を切り取って人工の材料で補うしかなかったら、想像するだけで怖いですよね。
しかし、実は歯の治療はそれと似たようなことをしています。
だからこそ、歯を悪くさせないように常に気を配り、大切にケアすることが欠かせません。
つまり、むし歯や歯のトラブルを防ぐ予防が何よりも大切なのです。